もの忘れ外来について

もの忘れ外来について

年をとるにつれて「もの忘れ」が増えるのは誰にでも起こることです。たとえば、友達の名前が出てこない、でもしばらく悩んでいたらふっと思い出した、というケースです。こういうちょっとした「もの忘れ」はいわゆる「ど忘れ」のたぐいで、日々の生活に支障がないため問題にはなりません。

認知症になったときに出てくる「もの忘れ」は、「短期記憶障害」とか「記銘力障害」とかいう場合もありますが、たとえば、朝食に何を食べたかわからない、思い出せない、だけではなく、そもそも朝食を食べたかどうかがわからない、のようにその出来事(エピソード)ごと忘れてしまうものです。そのため、こういった「もの忘れ」が出てくると、日々の生活(日常生活・社会生活)に支障を来すようになります。

ふるかわ医院では、このような「わたしはもの忘れが始まっているのではないか?」と心配になる方を対象に、外来診療をおこなっています。初診・再診とも完全予約制となっていますので、待ち時間なく診察を受けていただくことが可能ですし、お一人20分の時間を確保していますのでゆっくりと診察、相談を受けることができます。

ふるかわ医院では、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やミニメンタルステート検査(MMSE)を中心に、単なる「ど忘れ」なのか、認知症による「もの忘れ」なのか、それともそれ以外の疾患なのか、の鑑別をおこないます。

CT検査、MRI検査、脳血流SPECT検査については、病院へ紹介いたします。

認知症の知識

1. 認知症とは

認知症とは「生まれてから一度正常に発達した精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めなくなった状態」のことをいいます。

アメリカ精神医学会による診断基準にDSM-5があり、そこでは「認知症は複雑性注意、遂行機能、学習および記憶、言語、知覚-運動、社会的認知のうち1つ以上が以前の水準から有意な低下があること」とされており、現在は必ずしも「もの忘れ」がなくとも「認知症」と診断される可能性があります。

最近のデータでは、65歳以上の高齢者の約15%が「認知症」で、「軽度認知障害」をあわせると30%近くになるといわれています。さらに85歳以上だと60%以上、90歳以上だと80%以上の方になんらかの認知機能低下があるといわれています。認知症はいくつかの病気に分類されますが、一番多いのは(1)「アルツハイマー型認知症」で60%以上、次に(2)「レビー小体型認知症」、(3)「血管性認知症」といわれています。

2. アルツハイマー型認知症

認知症の中で一番多い疾患で、中年期以降に加齢とともに発症します。(アミロイド仮説によると)アミロイドβ蛋白が徐々に脳に溜まって神経細胞を傷害し、タウ蛋白が異常蓄積するなどして神経細胞が死滅するとこにより起こると考えられています。

多くの場合、初めに出る症状は「もの忘れ」で、特に少し前の記憶(近時記憶)の低下がみられます。症状が進行すると、日付がわからなくなるなどの見当識障害、自宅に帰る道がわからない、着替えがうまくできない、味付けがおかしくなる、などの症状がみられる場合もあります。

3. レビー小体型認知症

脳の神経細胞にレビー小体という異常な蛋白が溜まり、神経細胞が徐々に減っていくことにより起こります。初期の段階に虫や実在しない人が見えるなどの「幻視」が特徴的な症状です。また、認知症状に良いときと悪いときのばらつきがある場合があります。動作が遅くなる、手足のこわばり(筋強剛)、小刻み歩行などのパーキンソン症状を合併することも診断の手がかりになります。

4. 血管性認知症

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)によって発症する認知症です。障害の場所によって症状は多彩ですが、意欲の低下や感情の起伏が激しくなるなどの症状が目立つ場合もあります。 一度も脳卒中にかかっていない場合でも無症候性脳梗塞(かくれ脳梗塞)が原因となる場合もあります。

5. 軽度認知障害(MCI)

いわゆる「認知症の手前」といわれる状態で、「もの忘れ」などの認知症状が出ていても十分に日常生活・社会生活が営める状態です。しかし、軽度認知障害の人の10~15%が1年間のうちに認知症に移行するとされているため、十分な注意が必要です。

6. そのほかの認知症

7. 認知症の治療

認知症の患者には、初期の段階から社会とのつながりを重視することが大切で、たとえば「認知症カフェ」や「まちかどデイサービス」などのような場に参加していくことが望まれます。またイギリスの研究では、デイサービスの利用が認知症状の改善に効果があるとも発表されており、人と人とのつながりを重視することが非常に有用と思われます。

認知症の薬物治療については、その多くが「アルツハイマー型認知症」への投与を前提とした薬となっていますが、医師の判断でそれ以外の認知症に投与されている例もあるようです。内科疾患が原因で起こる認知症については、原因となる疾患を治療することが先決となります。

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